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司法試験の制度はどうなってる?ロースクールとの関係は?

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司法試験とは? 

司法試験とは、裁判官、検察官または弁護士(いわゆる法曹)になろうとする者に、必要な学識や応用能力を備えているかどうかを判定するための国家試験です。

試験は例年なら5月に全部で4日間連続で行われ、論文試験と短答試験が実施されます。論文式試験では民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、憲法、行政法の法律基本7科目と選択科目(倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法のうち一つ)から出題されます。

どうしたら司法試験を受けることができる?

司法試験を受けるためには、法科大学院(ロースクール)課程を修了している司法試験予備試験に合格している必要があります。

法科大学院とは? 

by pixabay

法科大学院(ロースクール)とは、2004 年から開校された法曹養成に特化した教育を行う大学院のことを指します。

2年コース(既習者コース)3年コース(未修者コース)があり、既習者コースに入学するためには法律科目の学習を終え法律科目試験に合格する必要があります。一方未修者コースでは法科大学院入学後に法律を勉強することが想定されているため、入試では法律の知識は問われません。

現在ある法科大学院について

今年度新規募集される法科大学院は全国で36校あります。

令和元年度の既習者・未修者合わせた司法試験の合格者数ランキングでは、

  1. 慶應義塾大法科大学院
  2. 東京大法科大学院
  3. 京都大法科大学院
  4. 中央大法科大学院
  5. 早稲田大法科大学院

となっています。

https://www.law-school.jp/list.html

法科大学院は大量に破綻した!?

実は法科大学院は一番多かった時期で74校ほどあり、半数近くが募集停止ないしは廃校しています。

かつては政府も財政支援を行い法科大学院を次々と設立しましたが、実際にはそこまで法科大学院への需要が高まらず、定員割れをしたり優秀な生徒が集まらず合格者数が著しく低下し財政破綻する学校が数多く出ました。

この背景には別のルートである予備試験への注目が集まったことや、また法科大学院を出ても司法試験に合格できるわけではないため高額な学費を払うことはコストパフォーマンスが悪いと認識されたことも理由だとされています。

予備試験とは? 

by unsplash

予備試験とは、法科大学院修了者都道等の学識や応用能力、法律に関する実務の基礎的素養があるかを判定するための試験です。

予備試験に合格すれば法科大学院で2年ないし3年学ぶことなく司法試験の受験資格が与えられるため、「最短で法曹になるルート」とされています。

試験は例年だと5月に短答式試験、7月に論文式試験、10月に口述式試験が行われます。試験科目は司法試験と同様の法律基本7科目と実務基礎科目(民事・刑事)、一般教養科目になっています。

短答式試験に合格したら論文式試験が受けられ、論文式試験に合格したら口述式試験が受けられるという仕組みになっていますが、仮に最後の口述式試験で落ちてしまった場合でも翌年度はまた短答式試験から受け直さなければならない(無慈悲とも言える)制度になっています。

誰でも受けることができるため、仕事の都合上法科大学院に通うことが難しい社会人も多数挑戦していることが特徴的です。

何回まで司法試験は受けられる?

司法試験には受験の回数制限があります。

法科大学院課程を修了した場合は終了後5年以内、予備試験合格の場合は合格後5年以内なら毎年(すなわち全部で5回)受験することができます

以前は5年以内に3回までという受験回数制限が設けられていましたが、2015年から回数制限が5年以内に5回までに緩和されました。

受験資格がなくなってしまった場合でも、もう一度法科大学院を修了するか、予備試験に合格すれば再び司法試験の受験資格が与えられることになります。

昔は違う司法試験だった?

by unsplash

昔は今でいう「旧司法試験」が行われていました(その対応で現在の司法試験は「新司法試験」と言われることもあります)。

旧司法試験の時代は法科大学院制度がなかったため、旧司法試験に合格すれば法曹になれる仕組みになっていました。

試験制度自体は現在の予備試験のように短答式試験、論文式試験、口述式試験が順に行われる試験でしたが、「ヤマが当たらないと合格レベルの答案が書けない」「ヤマが当たるまでは永遠に不合格」というような性質の試験だったため、勉強時間が長期化する傾向にあり、何年間も(何十年間も)司法試験に挑み続ける人が多かったと言われています。

最後に

by unsplash

この記事では、司法試験について受験資格や法科大学院との関係という観点などから紹介してきました。

「弁護士」「司法試験」というワード自体はドラマなどでも聞き慣れた単語であり身近なものに感じられますが、意外と試験制度については知らないことも多いですよね。

最難関の試験とも言われる「司法試験」について理解が深まる機会となっていましたら幸いです。

皆様の素敵な生活をお祈りしております。

万理華

神戸出身。法律家・占い師。法律家と占い師の顔を持つ作家。 学校で占いを学び、対面占い、メール占いとしてデビュー活動後、現在はチャット占いを中心に活躍中。累計...

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