婚前契約とは？婚前契約書の作り方やそのメリット
「婚前契約」「結婚契約」といった言葉を耳にしたことがありますか？結婚に対する価値観が多様化している現代において、日本でも婚前契約をかわす夫婦の数は確実に増えてきています。この記事では、婚前契約とは何か、またそのメリットや作り方について紹介していきます。
婚前契約とは？
婚前契約とは、簡単にいうと結婚前に結婚生活における取り決めをすることです。それを婚前契約書にまとめ、公正証書として形にして保存することが一般的です。
婚前契約はあくまで二人の間での内部的な契約ですので、取り決めできる範囲としては財産から普段の家事や育児に関してまで、公序良俗違反にならない範囲で幅広くすることができます。
一般的に婚前契約が締結される範囲としては、財産・家事・育児・不貞行為・義両親との関係・夫婦間の関係が挙げられます。
「結婚記念日については毎年一緒に過ごすことにする」「ギャンブルはしない」「喧嘩をしても暴力を振るわない」といった取り決めをすることも可能です。
婚前契約をするメリット
「財産に関して結婚前に取り決める」と聞くと、結婚前から離婚の時のことについて考えるの？というマイナスのイメージを抱く方もいるかもしれません。
確かに、離婚することが珍しくない現代において、離婚時に揉めないようにするために婚前契約を交わすという意味合いもあります。親権や財産分与について婚前契約で取り決めをしておくことでスムーズに離婚手続きを終え、すっきりとお互い次の環境に向かうことが可能になることは多いです。
しかし、婚前契約の本当のメリットは「結婚前にお互いの価値観、考え方を相手に対して打ち明けて、すり合わせ、結婚してからの価値観の違いをなくすこと」にあります。離婚の理由としてよくあるのがまさにこの「価値観のズレ」ですよね。
結婚してから「一緒に過ごしてみたら価値観が一致しなくて離婚を考えている」ということが少なくなると考えれば、婚前契約は離婚を防止するというメリットもあるといえます。
婚前契約書の作り方
二人の間で取り決めをして、ラフな形で契約書を作り自宅に保存しておくだけなら、専門家は必要なく二人だけで作成することができます。
ですが婚前契約は、その証明力や拘束力を高めるために「公正証書」という形にすることが一般的です。
公正証書とは公証役場という公的機関で、公証人に作成してもらう公文書のことを指します。公正証書にすることで公証役場に保管しておくことができるため、裁判になった場合も証拠として確実に提出することができます。
婚前契約書を作る場合、まずは二人の間で話し合って契約書に盛り込みたい内容を決定します。その後、行政書士や弁護士のもとに持参し、法律的なブラッシュアップを受け、リーガルチェックをしてもらい公正証書にするという流れになります。
不貞行為をしたときは慰謝料を払うという内容を盛り込みたい場合でも、妥当な金額にしておくことなどは婚前契約の実効性を高める上で大切です。高額な金額を定めていてもいざその場面になったときに実行できないような金額の場合は意味を為しませんし、より揉める原因にもなりかねません。そういう意味でも法律家によるブラッシュアップは必須です。
公正証書の手続きにかかる費用や法律家への依頼費用を合わせて、全体で大体5~10万円程度で作成できます。作成期間としては１ヶ月程度となっています。
婚前契約をした有名人
婚前契約をしたことで有名な芸能人としては、橋本マナミや深田恭子、渡辺謙と南果歩、歌手のSILVAが挙げられます。
芸能人は、財産が多い上に芸能事務所など関係者の数も多く、離婚をするにしても離婚問題で揉めてしまうとイメージの低下を招きかねないため、婚前契約を結ぶ人が多くなっています。
特に歌手のSILVAは婚前契約を結ぶことにかなり精力的であり、そのエピソードについても詳しくお話しされていますので、婚前契約を締結する際のいい参考になりますよ。
最後に
現代では事実婚や大人婚など、結婚に対する価値観や傾向が多様化していますよね。
芸能人だけでなく、一般人であっても結婚時に婚前契約を交わすことが普通になる時代がもうすぐやってくるかもしれません。
婚前契約は、離婚の際に揉め事をなくしてすっきりと関係を解消できるという意味合いだけでなく、結婚前によりお互いの結婚に対するイメージや価値観を共有し、より良い結婚生活にする第一歩であるともいえます。
まだまだ婚前契約という概念が知られておらず、なんとなくのイメージだけで悪い印象を持つ方も少なくありませんが、この記事を読んでくださった方でしたら婚前契約が持つ「ポジティブな効果」を感じていただけたのではないかと思います。
婚前契約を締結することで、よりお二人の心の距離が近づくかもしれません。
皆様の幸せを心よりお祈りしております。
